
ここ数年、夏が近づくと必ず話題にのぼるヒートアイランド現象。
でも、その原因は?対策は?というと、よく分からない人も多いはず。
ここでは、工学院大学 工学部 建築都市デザイン学科 専任講師 中島裕輔先生に都市環境工学の観点からお話を伺いました。

「ヒートアイランドという言葉は、1830年頃、産業革命後のイギリスで使われ始めたと言われています。都市近郊の温度分布図を等温線で描いていくと、都市部の温度が上がっている部分が、ちょうど島のように見えるので熱の島(ヒートアイランド)と名付けられたようです。」
「主な原因は、かなり解明されています。ひとつは土地の被覆の変化。土の地面なら、そこに含まれている水分が蒸発するときに気温が下がりますが、現在は建物や舗装された道路が増え、コンクリートやアスファルトで土が覆われています。これらは内部からの水分蒸発が起こらず、熱をため込んでいくため、気温は上昇します。また埋め立てなどにより、緑や池など水辺の空間が減っているのも原因のひとつです。
さらに、工場、自動車、建物などから空気中に熱を出す人工排熱の影響があげられます。特に、一般家庭へのエアコンの普及、24時間空調しているビルが増えてきた影響もあり、建物からの排熱はここ30年で3倍以上に増えています。
また、この100年間で見ると、地球全体での気温上昇が約0.6度であるのに対し、東京の気温上昇は約2.9度ですから、明らかに都市特有の問題で気温上昇が起きているといえます。よくヒートアイランドと地球温暖化の問題を混同される方も多いのですが、省エネルギーなど共通の対策のほかに、それぞれに別の対策が必要になります。」