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温暖化予測研究の中核を担う日本〜

予測研究の成果に期待が高まる

Q:

IPCCの活動および予測研究が世界各国に与える影響は?

近藤氏:

 IPCCが『地球システムの温暖化には疑う余地がない』という断定的なメッセージを出したことによって、国際的な関心を呼び、今後の対策が進むことが期待されています。特にその原因が人為的なものであるということに確信を深め、前述の炭素循環による温暖化の進行など、新たな知見を盛り込めたことも大きな意義があると思います。
 今までの報告書でも温暖化についてのメッセージは発信していたのですが、今回、地球シミュレータなどの予測結果などを裏付けとして、ダメ押しのような強いメッセージを出せたと思います。
 IPCCの総会(スペイン:バレンシア)に国連事務総長が出席して「温暖化の脅威は現実化している」と述べ、直前に視察した、南極大陸などの現状などをふまえて、IPCCの果たす意義の重要性を強調しました。国連事務総長が、直接IPCC総会で演説するのは、異例のことで、それだけ地球温暖化への関心が国際的に高まっていると感じています。
 その後、私も参加した、バリ島で開かれたCOP13では、IPCCのパチャウリ議長が、関係者と共に、上記のバレンシアの総会で完成した第4次評価報告書(AR4)の最後の部分である統合報告書について各国政策担当者を前に説明したあと、12月10日のノーベル平和賞授賞式出席のためオスロに向かいました。会議では、AR4の内容が多くの場面で引用され、科学的な成果が国際政策に反映されている現場が実感されました。議長は、13日には、同じく受賞者であるアル・ゴア元米副大統領と共にバリ島に戻り、喝采を浴びました。アル・ゴア氏の講演も満員の参加者に大きな感銘を与えました。

 IPCCのみならず、最近、いろいろなところで予測研究の成果に対する期待が高まり、研究者としても温暖化防止のために担う役割、使命のようなものを感じ始めています。特に今回の予測研究により、思っていた以上に温暖化が深刻であること分かり、子々孫々にまで関わるこの地球を今もっと真剣に考えていく必要を感じています。多くの研究者仲間とともに、2007年2月パリでの自然科学的根拠をまとめた第1作業部会の報告書が完成した後、私も加えていただき、科学者から国民のみなさまへの緊急メッセージも発信しました。