それでも、CSRは多くの日本企業にとって、重要な企業戦略になると考えられます。その理由は、日本社会の人口減少が避けられないという事実からです。百年後には、日本は現在のタイ国と同じ規模の人口、台湾を3つあわせた規模の人口の国となります。この過程で、国力を維持しようとすれば、当然、これまで以上に海外との関係を強化せざるを得ません。具体的には、資本のグローバリゼーション、製品市場のグローバリゼーション、生産拠点・人材のグローバリゼーション、資材・製品調達のグローバリゼーションの4つの側面

でいかに競争力や顧客満足を獲得するかということが焦点になります。
失われた10年といわれた期間でさえ、こうした海外との関係は確実に強まっています。CSRの要請が仮に海外からの外圧だとしても、もはや日本企業は国内市場の論理だけでは通用しないという認識を持つ必要があります。翻って、CSRの要請で求められる企業像には、「顧客に誠実」、「人材を育成・支援」、「環境保全を重視」、「社会活動に積極関与」など、日本企業が伝統的に重視してきた要素も数多く含まれているといえるのです。そうした側面を再評価し、アピールしていくことがCSRの要請下でのグローバルな競争力にもなると考えられます。