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パソコンのライフサイクルにおける環境負荷低減活動

2003年11月19日
NECパーソナルプロダクツ代表取締役社長 片山 徹
環境との調和が経営における最重要課題
図1 環境負荷低減活動  NECは、環境との調和を経営における最重要課題の一つとして位置付けています。パーソナル商品を担当するNECパーソナルプロダクツも、この理念に基づきNECと連携を取り、パソコンのライフサイクルの全領域で、環境負荷低減に取り組んでいます。  
実践的活用事例(ITソリューションの環境負荷削減効果)
(1)企画/開発/設計段階(先進技術、LCA、環境ラベル)

図2 水冷パソコン  水冷パソコンは、人の生活環境の向上を目的として企画・開発されました。昨今のパソコンに搭載されるCPUは、高速化に伴い発熱量が増大する一方です。発熱量の増加に伴いファンによる騒音も大きくなっています。一方、TV視聴機能やホームサーバー機能の充実によって、パソコンをリビングに置くケースも増え、静音性に対するニーズも高まりつつあります。

 これらの相反する要件を満足させるために、水冷によるCPU冷却システムを導入し、高性能と静音化を両立するパソコンを実現しました。デスクトップパソコンとして、世界で初めて水冷システムを搭載したVALUESTAR TX及びFZは、最先端の機能・性能を搭載しているにも関わらず、動作時の騒音を約30dB(ささやき声程度)に抑えることに成功しました。現在、高性能ノートパソコン用の薄型水冷モジュールも開発中であり、近い将来の商品化を目指します。



 次に人の暮らしにやさしい商品企画の2つ目として、燃料電池内蔵パソコンがあります。 図3 燃料電池内蔵パソコン NECは、メタノール燃料電池技術の活用により、40時間連続動作が可能なノートパソコンの実用化を目指しています。この技術により、バッテリ残量を気にしたり、電源ケーブルの携帯やコンセントを探したり、といった煩わしさから開放され、ユビキタス社会を実現する真のモバイルパソコンが実現するものと考えています。将来的には、燃料となるメタノールをバイオマス由来とすることで、LCA的にも環境にやさしい商品となるよう努力します。



(2)調達/製造段階(グリーン調達、低環境負荷素材)

 NECのパソコンは、環境負荷の少ない新素材の採用を積極的に行っています。再生プラスチックについては、現在、デスクトップパソコンではプラスチック総使用量の95%以上、ノートパソコンでは約80%採用しています。年間100トン以上の廃プラスチックを活用しており、廃棄物の発生抑制と資源の有効利用に貢献できるものと考えています。

 欧州RoHS指令の指定化学物質の一つである六価クロムへの対応についても、筐体や内部シャーシに使用している鋼板は、ほぼ100%六価クロムレス鋼板に切り替えています。また1999年には、世界で初めてパソコンのマザーボード実装に鉛フリーはんだを採用しました。部品の耐熱温度を考え、比較的融点の低いSn-Zn系はんだ材料を採用しています。現在、ノートパソコンにおける鉛フリーはんだ化を加速しており、パソコン全体で累計100万台以上の出荷を達成しました。

 次世代の低環境負荷素材として、強化バイオプラスチックの開発にも着手しています。パソコン等の筐体のプラスチックは、石油を原料としていますが、将来的には石油資源の枯渇問題に対応するため、バイオプラスチックなどの新しい材料に置き換えることも検討して行きます。NECでは、ケナフ繊維を添加することで、耐熱性と強度を大幅に向上することに成功しました。



(3)販売段階(情報発信)

 NECでは、これまで多くの環境情報を発信してきましたが、必要な情報を直ぐに知りたいなどのお客様のご要望に応えるために、製品型番による環境情報検索サービスを検討しています。これにより、環境適合性情報、低環境負荷素材採用情報、LCA結果などを入手することが可能となります。



(4)使用済段階(リサイクル、リユース)

 今年10月から始まった家庭系PC回収・リサイクルや個人のお客様からの買い取りサービス、再生パソコンのNECリフレッシュPCの事業展開も行っています。10月の回収受付実績は、累計約4000台となっており、11月も順調に推移しています。お客様から買い取りしたパソコンは、信頼性の高い再生業務を行いNECリフレッシュPCとして販売しており、これまで大変好評を得ております。

パソコンのライフサイクルにおける環境負荷低減活動で貢献
  以上、パソコンのライフサイクルの全領域における環境負荷低減活動を例に簡単に紹介しました。今後も、これまでの「地球環境への貢献」を強化するとともに、静音性や長時間使用など暮らしにやさしい製品開発により「生活環境への貢献」を強化・拡大して行きます。
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